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臨場

臨場 横山秀夫著;光文社文庫
臨場 (光文社文庫 よ 14-1)

9月30日読了。

横山秀夫の文庫新刊です。
この人の警察小説は、本当に面白いですね~。
必ずしも刑事が主人公の話ばかりでなく、警察組織に属する色んな職務の人が主人公になるので、「はぁ、こういう風になっているんだ」と目からウロコのことも多い。
また、登場人物が魅力的です。時々、あまりに類型的に過ぎる(キャラ立てすぎ)こともあって、そういう話の場合はあまりのめり込めないこともありますけど。ほとんどの話では、実に多面的な、相反する性格を併せ持っているような、現実にいそうな複雑な人間性を描くのに成功していて、それが物語の奥行きを作り出していると思います。
強い人の弱い部分とか、クールな人の熱い部分とか、冷徹な人の人情とか、そういうのを描くのが抜群にうまいんですよね。

今回の「臨場」は、倉石という検視官をメインキャラに据えた連作短編集です。
「検視官」というのは、死体が発見されたときに、自殺か他殺か(犯罪の疑いがあるかどうか)を、現場検分によって判断する役目の警察官のことのようです。へぇ。そういう役割があったのか。
てっきり、そういう判断も刑事がやっているのかと思っていたけど、そうではないのですね。

で、倉石という検視官は、余人を持って代えがたい「終身検視官」の異名を持つほどに、検視を天職とするような男です。彼が、死者の最後のメッセージを汲み取るかのように、誰もが自殺と思い込んだ状況から事件性を立証したり、またその逆もあり。
この倉石が、最初はとてもクールで無頼で、冷徹な職人という感じなのですが、短編を読み進めるうちに、彼の周りの人間の目を通して、彼の心の底に流れる人間臭さや情熱といったものが少しずつ見えてきます。
この辺の話の持って行きかたは、見事ですね。本当におもしろい。
最後にはこの検視官の生き方に、傾倒してしまいそうな自分がいました。

読んで満足できる作品だと思います。
特に警察小説が好きな方にはオススメです!

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Author:keiboor
茨城県つくば市在住の35歳・男
妻と5歳の娘、0歳の息子との4人暮らし
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