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カンバセイション・ピース

カンバセイション・ピース 保坂和志著;新潮文庫




5月31日読了。

保坂和志は独特の作家です。
これまで、「プレーンソング」「季節の記憶」を読んできましたが、すごく独特な印象というか手触りのようなものが記憶に残っていて、どういう内容が書いてあったかは忘れても、雰囲気は覚えている。
で、今回の「カンバセイション・ピース」も、同じように味わい深い作品でした。

ストーリーというものが特にあるわけでもなく、大きな事件やドラマチックな展開や深い情念のようなものがあるわけでもなく、淡々と、本当に淡々とページが進みます。
主人公は、妻と、3匹の猫と、何人かの同居人と、古い家に住んでいて、日常のささやかな出来事の意味を丁寧に掘り起こしながら、自分でああでもないこうでもないと考えたり、同居人と会話したりしています。
強いて言うなら、人間と、時間や空間との関係性について考え、例えば「ここにいる」ということは何ぞや、「いない」ということは何ぞや。例えばこの窓からきれいな夕焼けを見ている主体は私なのだろうか、そうではなく主体はこの空間であり私はただここにあるだけなのであろうか、、、何てことを考えたりしています。

まぁ、難しいようですが平易な文章なので、主人公の考え込みぶりがおかしくって何だかくすっと笑ってしまったりします。

この作家にとって、小説を書くということは思索をするということなんだろうなと思いました。そういう風に感じさせる作家はあまりいない。

あと、長い文がいいですね。
こういう1文1文が長くて、でもちゃんと意味があって、でも難しくなくて、日本語としてのリズムがよくて、、、という文章は大好きです。
日本の現代文学もなかなかいいねと嬉しくなります。
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Author:keiboor
茨城県つくば市在住の35歳・男
妻と5歳の娘、0歳の息子との4人暮らし
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