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阿弥陀堂だより

阿弥陀堂だより 南木佳士著;文春文庫
阿弥陀堂だより (文春文庫)

実にしみじみとした、良い物語を読みました。
とても地味で静かな話なのですが、胸に染み入るような味があります。

なかなか芽が出ない作家が、医者である妻の心の病をきっかけに、生まれ故郷である田舎の寒村に移り住み、そこでの自然や人とのふれあいの中で妻とともに癒されながら、生について死について、言葉にできない何かをつかみとっていくという物語です。

阿弥陀堂守のおばあさんや地域の人たちや山や川や森などの自然についての描写が、淡々としているようでありながら、読み進めるにつれて本当に色々と考えさせられます。
文章や言い回しの上手さというのではなしに力を持った文章だと思いました。

物語の大半の舞台は、山奥の寒村のひとつの集落で、手付かずの自然が残っていて、人々が自給自足に近い生活をしているところです。
僕は先端的な科学・工学を志して、それを仕事としている一方で、こういう風な自然に溶け込んで地に足を着けた生活というものに撞着します。
これはもう人間の二面性のようなもので、僕に限らず誰にでもあるのかもしれませんが。
僕の住むつくばというところは、さまざまな研究所が集まる研究学園都市でありながら、かなり色濃く自然を残した田舎でもあり、僕の二面的欲求をそれなりに満たしてくれる場所です。
まぁ、「自然に溶け込んで生活」というには程遠く、庭で少々の野菜や草花を育てたり、地産の素材で味噌を仕込んだり梅干を漬けたり漬物を漬けたり、といったくらいでお茶を濁している中途半端さなのですが。
この『阿弥陀堂だより』に出てくる自然や人間の営みには遠く及びません。
それでもやはり身の丈にあったレベルでの「自然の力」「人間の力」というものを感じさせる場面に出くわすこともあり、そういう意味でこの本に精神が共鳴したのだと思います。

ということで、大変好い本でありました。
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Author:keiboor
茨城県つくば市在住の35歳・男
妻と5歳の娘、0歳の息子との4人暮らし
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