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デッドエンドの思い出

デッドエンドの思い出 よしもとばなな著;文春文庫
デッドエンドの思い出 (文春文庫)

5月18日読了。

まだまだブックオフ本です。早くリアルタイム読書に戻りたい・・・
とは言え、ブックオフで「あ、この本読み損ねていたな」という本を見つけて安い値段で読むのは結構快感で嬉しいものです。

ということで今回はよしもとばなな。なんだか数年に1回くらい、すごくよしもとばななを読みたい気持ちになるのは僕だけだろうか?どういう心理状態の時にそうなるのか知らないけど。

読んでみると、期待を裏切らない、心にしんと沁みこむような、いい短編集でした。
一言で表すならば、よしもとばななの物語は、とても静かだ。まるで深い水の底で暮らしているような、そんな静謐さに満ちている中で、淡々と話が進むのですが、それだけでは終わらない。
登場人物が、深い深い哀しみの底まで沈み込みそうになって、どうにもならなくなって、不意に感情を、生々しく激しい感情をあらわにします。自分でも制御できない気持ちが、感情が、まさに噴出するという言葉がぴったりくるような感じで流れ出す瞬間があります。
そういう瞬間を切り取るのがとても上手で、読んでいて胸に迫ります。ぐっと来る。
そういう感情があふれ出す瞬間すら、やはり静かで凛とした気迫のようなものを感じさせる文章で、本当に読んでいてすごいなと思います。
とにかく哀しい物語なんだけど、気がつくとささやかな幸せはすぐそばにあって、あるいは自分の心の中にあって。それに気がついて、まぁ劇的に状況が変わるわけでもないし完全に救済されるわけでもないんだけど、小さな希望を読者に残します。
そうだ明日から身の回りのことを大事にしよう、とか、今ここでこんな風に暮らしていて悩んだり怒ったりすることもあるけれどそれは実に幸せなことなのかもしれない、とか。
そんな気持ちにさせてくれる本です。
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Author:keiboor
茨城県つくば市在住の35歳・男
妻と5歳の娘、0歳の息子との4人暮らし
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