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yom yom vol.6 (2008年3月号)

yom yom vol.6 (2008年3月号) 新潮社
yom yom (ヨムヨム) 2008年 03月号 [雑誌]

3月30日読了。

今回は、小野不由美さんの『十二国記』の新作が掲載される、ということで思いっきり評判になっていましたね。
実は僕は『十二国記』はまだまったく読んだことがありませんでした。
日本のファンタジーの最高峰という評判なのは知っているのですが、手が出なかった。
なぜかというと、実は小野不由美さんのホラーの傑作 『屍鬼』を、今までに何度か読もうとしたのですが、いつも1巻かせいぜい2巻の途中で挫折してしまっています。不思議なことに。
で、「あ~やはり面白い面白くないとは別に、文体が合う合わないというのはあるんだなぁ」と思って、この作家の文章は僕には合わないのだと思っていました。

で、今回yomyomで読んでみたわけなんですけど・・・あれ?って感じで。いいですね。わりといい。すんなり読めましたし、面白かった。職人の悩みと葛藤みたいなものの心理描写がよかったです。
これはいいかも。。。というわけで、ブックオフに『十二国記』シリーズの最初の方を買いに走りました。読んでみよっと。

あとは、森見登美彦『或る失恋の記録』。相変わらずな、しょうもなさがいいです。変に格好つけたり美化せず、しょうもないものは最後までしょうもないという、学生生活の現実的な面をシビアに描いています。ファンタジーと括られているけど・・・

それから、イーユン・リー『獄』。これは発見ですね。ものすごくよかった。すごく生々しい人間の感情をあらわに描いていますが、物語のスケールは大きい。人間の感情ってやっぱり万国共通なんだなぁと思ったり。
このイーユン・リーさんは新潮クレストブックでもう2冊くらい出ているのかな。僕は新潮クレストブックのシリーズは死ぬまでに全部読もうと心に決めているので(なかなか進捗しませんが)楽しみです。

その他にも、いつもどおり重松清『にんじん』はツボを心得た語りだったし、恩田陸『青葉闇迷路』は独特な不思議さと切なさを持つ世界でよかったです。
オススメです。
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桜の歌

3月も今日で終り。ぼちぼち桜も見ごろですね。
東京のほうでは既に満開だとか。僕の住むつくばはまだ5分~7分咲きといったところです。

200803301435001.jpg


毎年のことながら、桜っていいですよね~!
この時期になると何となく心うきうきしてきて、春を実感します。
桜は不思議なほどに、人の心を揺り動かす力がありますよね。あるいは心を酔わせる。狂わせる。何でもいいのですが、常ならぬ気持ちを起させると思います。
それは、たぶんあの視界を埋め尽くすくらいの圧倒的な数の花びらで、目の前が桜色一色に染まるような凄まじさ。そしてそれをほんの一瞬で咲き尽くして次の瞬間には一斉に散り急ぐ、この切なさ。それゆえに一層際立つ美しさ。
そういうものに因るんだろうなぁ、と、桜の下をジョギングしながら考えました。
つくばの僕のジョギングコースも桜並木がすごく綺麗なんです。家から2kmくらい行ったところから「公園通り」という遊歩道に入るのですが、そこが断続的に桜のトンネルが続くような感じです。
赤塚公園~洞峰公園~二の宮公園~竹園公園~大清水公園~中央公園~松見公園と、大きな公園を結んで、筑波大学に到達する、この「公園通り」。夏の緑も、秋の紅葉も佳いのですが、やっぱり桜の花の下を走る気持ちよさといったら!最高です。
桜の下で酒を飲むだけじゃなく、桜の下を走ったり歩いたりして物思うのもいいものですよ。

さて、この時期になると巷では桜ソングがたくさん流れて、森山直太朗の桜なんかは僕けっこう好きなんですけど、やはり桜に似合うのは古の歌人の詠む和歌なのではないか、と。学生の頃に聞いたような歌以外にも、調べてみると素敵なのがいっぱいありますよね。
といいつつ僕もちゃんと理解できているのか、定かではありませんが。他の花を詠んだものにまして情感が込められているような気がします。

 桜花 今ぞ盛りと人は言へど われはさぶしも きみとしあらねば
 桜花 ぬしを忘れぬものならば 吹き込む風に 言伝てはせよ
 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし
 久方の 光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ
 願わくは 花の下にて春死なむ その如月の望月のころ

水滸伝 18 乾坤の章

水滸伝 18 乾坤の章 北方謙三著;集英社文庫
水滸伝 (18) (集英社文庫 (き3-61))

3月26日読了。

とうとう、水滸伝も18巻まで読んでしまいました。残すは最後の1巻のみ。
替天行道の志で結ばれた男たちの戦いは、その結末に向けてどんどん加速していきます。その切ないこと切ないこと。
もはや完全に追い詰められつつあるのにも関わらず、梁山泊の志士たちはただ、己の信じるもののために、友のために、志のために、先に死んだ者たちのために、、、戦い続けることを選びます。
この物語の最初の頃から、ずっと存在感を示してきた愛すべき好漢がついに斃れます。兵士たちの父親のような存在だった男も、自分が築き上げ守り続けてきた山塞とともに散り行きます。
しかし、ずっと先に死んだ誇り高き男、楊志の忘れ形見、楊令が、ついに梁山泊に加わります。
童貫元帥の攻撃を一度は奇策で退けたものの、ますます激しくなるばかりの攻撃の前に、梁山泊はどう立ち向かうのだろうか?
そして男たちの志の行き着く先は?結末は??
いよいよ来月。オーラスです。
もはや水滸伝にどっぷりつかってしまっている僕には、再来月からの「水滸伝が発売されない月」というのがうまく想像できないくらいです・・・

エデンの東 4

エデンの東 4 ジョン・スタインベック著;ハヤカワepi文庫
エデンの東 新訳版 (4) (ハヤカワepi文庫 ス 1-4) (ハヤカワepi文庫 ス 1-4)

3月22日読了

読み終わりました。
いや~楽しい読書でした。
楽しくて、味わい深くて贅沢な時間でした。

本巻では、エンディングに向けて、アダムが、キャルが、アロンが、アブラが、リーが、キャシーが、、、皆が悩み、苦しみ、葛藤しながら、自分の人生における選択をし、決着を着けていきます。
そうしながら、読者には、人間の善悪ってなんだろう?父と子は、兄弟は、どこまで分かりあえるんだろう?という問いを投げかけながら、作者としてはひとつの答えを導き出します。
最後には、人間の尊厳というところまで話が及びます。
全編通じて、召使のリーがいいですね。深い洞察力と知性を抱えながら、人に優しく思いやりがあり、結構悩んで苦しんだりする人間臭い面も持ち、、、暴走気味の登場人物たちを結びつけるひとつの杭のような感じで、いい味出しています。
そう、登場人物たちがホントに暴走気味で、ときには「え、この行動には無理があるのでは・・?」などと思ったりするのですが、その分みなイキイキと描かれていて、大変魅力的です。
そして、作品のキーワードたる「ティムシェル」汝能ふ、深い言葉です。

文学史上の価値とか、文豪の代表作とか、そういうこと抜きにしても、物語のおもしろさと登場人物の魅力で、すごく読書の幸せを感じさせてくれる本なので、ぜひ多くの人に読んでみてほしいと思います

エデンの東 3

エデンの東 3 ジョン・スタインベック著;ハヤカワepi文庫
エデンの東 新訳版 (3) (ハヤカワepi文庫 ス 1-3) (ハヤカワepi文庫 ス 1-3)

3月17日読了。

先月に引き続き、『エデンの東』新訳で3巻目です。
2巻目で超悪女・悪妻のキャシーにひどい目に合わされて、人として生きる心を失っていたアダムが、サミュエル・ハミルトンや召使リーの助けで何とか立ち直っていきます。
そして、キャシーとの決別、サミュエルとの永遠の別れ・・・
さらに、物語はアダムの双子の息子、アロンとキャルの話に移り、ここでも兄弟間そして親子間の、複雑で深くて、でも純粋な、愛情と相剋が語られます。

ということで、話としてもおもしろいのですが、なんて言ったら適切なんだろう・・・?読んでいる時間が、ものすごく豊かで贅沢なものに感じます。
召使のリーや、サミュエル・ハミルトンやアダムの議論や諫言が本当に味わい深く、それらを通して普遍的な人生観のようなものが鮮やかに読者に提示されます。
直接的ではないし安易ではないですが、しかし一語一語が心に沁みこんでくるような感じです。
だから時代が違えど国が違えど、読み継がれる物語なのでしょう。

さて、次は4巻、ラストです。

告白

告白 町田康著;中公文庫
告白 (中公文庫 ま 35-2)

3月14日 読了。

ついに出ましたね!待ちわびていました。
最初に出版されたときの評価の高かったこと。読みたいと思いつつ、文庫にならないかと思いつつ。。。ようやく出ました。分厚い文庫本が!京極夏彦並です。

もう読み初めからがっちり捉えられます。言葉の奔流です。まさに。
読めば読むほど熊太郎の世界に絡めとられ、一歩引いて「阿呆だなぁ」と思いながら読んでいても気がつくと両肩に力を入れて自分が呆けたようになって読んでいました。
町田康節が全開で最初から最後まで恐ろしいテンションで物語が語られます。

熊太郎は頭の中で思うことを(人並以上に思弁的に物事を考えるのだが)言葉でうまく表して周りに伝えることができず、それでイライラしてもどかしくて、つい突飛な言動を取ってしまい、そのため周囲には阿呆でどうしようもないヤツと思われています。
それで真面目に農業もできず、博打と女と酒にうつつを抜かして甘えて生きている。
まぁ、なんだかんだ言ってもやはり身勝手だし情けないヤツだし、甘ちゃんで阿呆なんだけど、それでもやはり熊太郎がだんだん破滅への道を一直線に進んでいくのには背筋が寒くなるような迫力があります。
熊太郎は真面目にやろうと思うと裏目に出て、信じた人には裏切られ、恩を売ると仇で返され、、、
こんな人生だったら僕も破滅への道を歩んでしまうんだろうか・・・いや、歩まないだろうな。
そうなんだけど、この熊太郎が駆け抜けた人生の道はやはり抗うことのできないもので、ある意味人間の普遍的な、運命的な破滅へのプロセスなのかもしれない、そう思わせてしまうような言葉の力ですね。
「人はなぜ人を殺すのか」という永遠のテーマに肉薄する、というキャッチですが、読む前は「そんな普遍的な問題を語れるのかねぇ」と思っていましたが、読み終わったあとでは、熊太郎も僕も根っこの部分は共通で、そういう意味で熊太郎の破滅へのプロセスは人間のそれなのだろうと思いました。

ということで、読むのに非常に疲れたけど、考えるところ多かったです。力作でした。今月はこれに尽きるかな。
プロフィール

keiboor

Author:keiboor
茨城県つくば市在住の35歳・男
妻と5歳の娘、0歳の息子との4人暮らし
職業;エンジニア

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