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走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること 村上春樹著;文藝春秋社
走ることについて語るときに僕の語ること

10月29日読了。

いい本読みました~!

村上春樹は、僕の敬愛する作家です。新刊本(特に小説)が出るのを心待ちにしていて、発行されると文庫になるのを待てずにためらうことなくハードカヴァで買ってしまいます。僕にとってそういう作家は今のところ村上春樹くらいなのです。
特に『ねじまき鳥クロニクル』は僕が本当に大好きな本で、極私的オールタイムベストの第2位に輝いています。
(ちなみに僕のオールタイムベスト1は遠藤周作『深い河』です。これはホントに凄い本だと思います。この本の話はいつか別の機会に。)

さて、この本は題名だけで村上春樹ファンなら(あるいはレイモンド・カーヴァーのファンなら)ニンマリしてしまうと思います。彼は前から、走ることについていつか書きたいと公言していたので、ついに出たな~、しかもタイトルはこう来たか!と思いました。
この本の中で、村上春樹にとって走ることとはどういうことなのか、小説を書くということはどういうことなのか、そして生きることとは、老いることとは、、、そういう非常に内面的な思索を、淡々と、素直に、綴っています。
文章はいつもの春樹調で、いわば昔の小説によく登場していた『僕』がこの本の中では村上春樹自身である感じで、小説のようなエッセイのようなメモワールです。

僕はすごく素敵なタイミングでこの本に出会ったと思います。
なぜなら村上春樹は本格的に職業作家になろうと決心したのが33歳で、それと同時に、走り始めたのも33歳なのだそうです。
実は僕も今33歳で、今年ふと思い立って走り始め、1ヶ月後には初めてのフル・マラソンに挑戦する予定。なんて嬉しい偶然だろう!
33歳というのは村上春樹に言わせると、イエスキリストが死んだ歳であり、スコット・フィッツジェラルドがその頃から凋落を始めた歳なのだそうです。そして村上春樹がプロの作家になろうと決めた歳。
僕は死なないし凋落もしないが、逆に変革もないし何かを達成してもいない。でも村上春樹と同じ歳に走り始めたという偶然だけで、ちょっと良い33歳かなぁという気持ちがします。

というわけで、僕も村上春樹のように、年に何回かフルマラソンを走りつつ、何十年も走り続けられたらいいなぁと思いました。空の雲を見上げながら、自分の内側に目を向けながら。そして振り返って、『少なくとも最後まで歩かなかった』と、言えたらいいなぁ。
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水滸伝 13 白虎の章

水滸伝 13 白虎の章 北方謙三著;集英社文庫
水滸伝 13 (13) (集英社文庫 き 3-56)

10月25日読了。

いよいよ戦闘が激しさを増してきました。あっという間に13巻です。
相変わらず熱い!息を詰めて読み進めます。

官軍の攻撃は、いよいよ本気度を増し、優れた将軍による波状攻撃で、梁山泊軍に襲い掛かります。
これはもう、反乱の平定というより、国と国との戦争に近いものです。
それだけ梁山泊も大きくなったということなのですが・・・
絶対的な兵力の差は歴然としているだけに、梁山泊は凌ぎきるのに精一杯です。

本巻は、何と言っても双頭山の攻防!朱仝、李忠らの獅子奮迅の戦い。胸が熱くなります。ギリギリの闘いの中で、生きるものもいれば死にゆくものもいます。志のために、守るもののために、後に続くもののために、、、男たちはためらうことなく死線に身を投じます。そういう価値観はもちろん現代社会に通じるものではないけれど、男ならやはり憧れを感じずにはいられない。とても清らかでまっすぐな魂の生き方に。

その他、本巻は、いかに水軍を強化していくかという動きを中心に、流花塞をめぐる話が結構でてきました。次巻以降も、流花塞、双頭山、二竜山で激しく熱い戦いが続くことだろう。

なんだか、いちおう水滸伝なので、最後の結末は当然わかっているだけに、彼らの奮闘の行き着く先を考えるととても切なくて、それだけに本当に愛しい物語なのです。

犯人に告ぐ

犯人に告ぐ 雫井脩介著;双葉文庫
犯人に告ぐ 上 (1) (双葉文庫 し 29-1) 犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫 し 29-2)

10月19日読了。

9月の新刊からの読み残しです。トヨエツ主演で映画になるそうで。
なんか僕的には主人公のイメージが少し違うかなぁ・・・という気もしますが。でも映画になったら面白いだろうな。

そう、まさに映画向けのような、活劇的な話です。
テンポが速く、次々と事件が展開し、その間にも愛憎悲喜こもごも、色々なエピソードがあり、読者は飽きることがありません。
とにかく先が気になって、ページを繰る手を止めたくない、という物語です。

注文をつけるとすると、もう少し犯人側の人物像というか人間的な面を書ければよかったのにと、思わなくもありません。
公開捜査の舞台に引っ張り出した段階で、犯人のキャラを間接的に引き出すことに成功しているのに、それじゃ犯人はホントになぜこんな事件を?というところを犯人にまったく語らせていない。
それが少し心残りのところでした。

そうは言っても、総じて本当に面白く、質の高い警察小説だと思います。特に主人公の刑事の孤高さ、心の弱いところをあわせ持ちながらそれを必死に押し隠すかのような冷徹さと孤独、そしてそれが剥がれ落ちた刹那の心の揺らぎなど、なかなかに魅力的な主人公でした。

しかしなぜ文庫本で上下2巻に分けたんだろう?
1巻ずつ買う人もいないだろうに・・・
長さ的には絶対1巻で十分だと思います。
やはり利益を上げるための手段なんだろうか?

yom yom vol.4

yom yom vol.4 新潮社
yom yom (ヨムヨム) 2007年 10月号 [雑誌]

10月8日読了。

読了と言っても小説ではありませんが・・・
新潮社が3ヶ月に1度くらい発行している、文芸雑誌です。
文芸雑誌と言っても硬派ではなく、色んな作家の小説やエッセイを軽く読めて、結構好きな雑誌です。
一冊読むと、長編小説を1冊読むのと同じくらいのボリュームがあります。

今回面白かったのは、重松清「チャーリー、牽制球に気をつけろ」(短編読み切り小説)と、恩田陸の「青葉闇迷路/イパネマの娘」(連載小説)でした。特に恩田陸の「青葉闇迷路」は、独特の雰囲気があって、ちょっと訳わからなくて、不気味で、なかなかいいですね。恩田陸は「夜のピクニック」しか読んだことがないという素人なのですが(そして「夜のピクニック」はとても好き)、この「青葉闇迷路」もゾクゾクして、違った意味で好きな感じです。

色んな作家を気軽にチョコ読みできるので、この雑誌は良い試みだと思います。さすが新潮社、業界の横綱ですな。

流山ロードレース

はっはっは。
とうとう市民ランナーデビューしました。
デビュー戦は、つくばエクスプレス沿線にある、千葉県の流山という市で開催された、「第16回流山ロードレース大会」です。

そもそも市民ランナーになろうと思ったのは今年の夏のある日、娘を近くの公園の屋外プールに連れて行って遊ばせながら、「これから夏から秋にかけて、ビールも旨いし食欲の秋も来るし・・・。なんとか太らないようにしなければ」などと自分の腹を見ながら思っていたら、帰りにふと目に入ったのが、つくばマラソンの参加者募集のパンフレットでした。
「これだ!秋の終わりに新たな目標を設定して、それに向かって走ろう!」ということで、つくばマラソンでのフルマラソン挑戦を決意。
いきなりフルマラソンもなんだしということで、その前に10kmレースやハーフマラソンも走ろう。
ということで、今回の流山ロードレースが、つくばマラソン完走への道のファーストステップの10kmなのでした。

いちおう中学~高校は運動部だったし、僕が所属していた○球部で練習の最初に3km程度のジョギングをしていたけど、だいたい僕が一番早かった。
ということでそこそこ自信はあったのですが、9月に入って早朝ジョギングを始めると、体力が高校の頃より断然落ちているのがアリアリ。全然走るペースを上げれなかったです。
まぁ、それからは、休んだりしても止めることはなく、何とかジョギングを続けて、少しずつ体力を取り戻して、今日のレースデビューに至ったわけです。

今日は快晴で汗ばむくらいの陽気で、走っていて気持ちよかったです!
スタートしてすぐ、とっても大勢のランナーと一緒に、沿道の見物の人から「がんばれー」とか応援されながら走っていると、何だかものすごく気分が盛り上がってきて、「うわぁ~何か楽しい。なぜだかめちゃめちゃ気分がいいぞ~」と思いながら走りました。
いや~ホント楽しかった。
で、調子も絶好調で、結果は以下のとおり。

 種目;一般男子10km(18~39歳)
 記録;45分34秒
 種目別順位;112位/398人中
 総合順位 ;420位/1490人中

・・・遅いのか早いのか。まぁ、走歴1ヶ月の素人ランナーにしてはまあまあなんじゃないかと自分では思っていて。
練習ではこの記録では走れていなかったので、いちおう大満足な結果ということにしておきます!

走った後のビールが旨い・・・

ふたりの証拠

ふたりの証拠 アゴタ・クリストフ著;早川書房




10月4日読了。

「悪童日記」に始まる3部作の第2弾です。
本作も、悪童日記に負けず劣らず面白い!
どういう点が面白い、ってなかなか語りづらい話ではありますが、読み始めると本の世界にずるずると引き込まれます。麻薬のような本です。

前作では、名前を持たない顔も持たないような存在だったふたごが、本作では名前も出るし姿も晒します。
前作の最後のシーンから始まり、国境から戻った方のふたごの片割れが本作の主人公です。前作と大きく違うのは、前作はふたごが語り部だったのが、本作では第3者の視点で物語が語られます。
そのおかげで、前作ではモンスターとしか思えなかったふたごが、俄然その人間としての側面を露にしています。
そうしてみると、ふたごの片割れ(リュカ)は、世間と交わって苦悩したり、おろおろしたり、恐れたりショックを受けたり、悲しんだり怒ったり・・・
前作と180度違うふたごの姿が語られ、それでもやはり彼の狂気と不気味さの片鱗は見られ、読んでるほうも息を詰めるように読み進めます。

そして、最後。あれ?あれれ?
ということで、読者はまるで底なし沼に踏み込んでしまったかのような、気持ちの悪い不安感に曝されます。今まで語られてきた話はいったい!?
存在の不確かさという気持ち悪さは、なかなか味わえるものではありません。

ということで、3作目も読まねば!

臨場

臨場 横山秀夫著;光文社文庫
臨場 (光文社文庫 よ 14-1)

9月30日読了。

横山秀夫の文庫新刊です。
この人の警察小説は、本当に面白いですね~。
必ずしも刑事が主人公の話ばかりでなく、警察組織に属する色んな職務の人が主人公になるので、「はぁ、こういう風になっているんだ」と目からウロコのことも多い。
また、登場人物が魅力的です。時々、あまりに類型的に過ぎる(キャラ立てすぎ)こともあって、そういう話の場合はあまりのめり込めないこともありますけど。ほとんどの話では、実に多面的な、相反する性格を併せ持っているような、現実にいそうな複雑な人間性を描くのに成功していて、それが物語の奥行きを作り出していると思います。
強い人の弱い部分とか、クールな人の熱い部分とか、冷徹な人の人情とか、そういうのを描くのが抜群にうまいんですよね。

今回の「臨場」は、倉石という検視官をメインキャラに据えた連作短編集です。
「検視官」というのは、死体が発見されたときに、自殺か他殺か(犯罪の疑いがあるかどうか)を、現場検分によって判断する役目の警察官のことのようです。へぇ。そういう役割があったのか。
てっきり、そういう判断も刑事がやっているのかと思っていたけど、そうではないのですね。

で、倉石という検視官は、余人を持って代えがたい「終身検視官」の異名を持つほどに、検視を天職とするような男です。彼が、死者の最後のメッセージを汲み取るかのように、誰もが自殺と思い込んだ状況から事件性を立証したり、またその逆もあり。
この倉石が、最初はとてもクールで無頼で、冷徹な職人という感じなのですが、短編を読み進めるうちに、彼の周りの人間の目を通して、彼の心の底に流れる人間臭さや情熱といったものが少しずつ見えてきます。
この辺の話の持って行きかたは、見事ですね。本当におもしろい。
最後にはこの検視官の生き方に、傾倒してしまいそうな自分がいました。

読んで満足できる作品だと思います。
特に警察小説が好きな方にはオススメです!

プロフィール

keiboor

Author:keiboor
茨城県つくば市在住の35歳・男
妻と5歳の娘、0歳の息子との4人暮らし
職業;エンジニア

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