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カンバセイション・ピース

カンバセイション・ピース 保坂和志著;新潮文庫




5月31日読了。

保坂和志は独特の作家です。
これまで、「プレーンソング」「季節の記憶」を読んできましたが、すごく独特な印象というか手触りのようなものが記憶に残っていて、どういう内容が書いてあったかは忘れても、雰囲気は覚えている。
で、今回の「カンバセイション・ピース」も、同じように味わい深い作品でした。

ストーリーというものが特にあるわけでもなく、大きな事件やドラマチックな展開や深い情念のようなものがあるわけでもなく、淡々と、本当に淡々とページが進みます。
主人公は、妻と、3匹の猫と、何人かの同居人と、古い家に住んでいて、日常のささやかな出来事の意味を丁寧に掘り起こしながら、自分でああでもないこうでもないと考えたり、同居人と会話したりしています。
強いて言うなら、人間と、時間や空間との関係性について考え、例えば「ここにいる」ということは何ぞや、「いない」ということは何ぞや。例えばこの窓からきれいな夕焼けを見ている主体は私なのだろうか、そうではなく主体はこの空間であり私はただここにあるだけなのであろうか、、、何てことを考えたりしています。

まぁ、難しいようですが平易な文章なので、主人公の考え込みぶりがおかしくって何だかくすっと笑ってしまったりします。

この作家にとって、小説を書くということは思索をするということなんだろうなと思いました。そういう風に感じさせる作家はあまりいない。

あと、長い文がいいですね。
こういう1文1文が長くて、でもちゃんと意味があって、でも難しくなくて、日本語としてのリズムがよくて、、、という文章は大好きです。
日本の現代文学もなかなかいいねと嬉しくなります。
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菜園(5/27) すくすく

5月27日。

ナスとミニトマトとキュウリがすくすくと成長していて、自分で体を支えきれず、でれ~んとしていたので、支柱を立ててあげました。

こんな感じ。
070527全体

そんなに日当たりが良くもないベランダなのですが、各々がんばっているようです。
ナスとミニトマトは、ぽつぽつ花が咲き始めました。キュウリも、花はまだですが小さな小さなキュウリの赤ちゃんのようなものができています。
070527なす 070527とまと 070527きゅうり

トマトは、わき芽を摘んだりもしてみました。

だんだん梅雨時も近づいてきますが、このまま健やかに育って実を成してほしいものです。

あとは、リーフレタスは混みあいすぎているので、もう大株にするというよりは、ベビーリーフの段階でどんどん収穫して食べています。
これはもう毎日のように収穫している状態です。

ベビーキャロットは、だいぶ葉っぱは大きくなっていて、土の中でもだんだんニンジンらしくなっているんじゃないかと想像しています。
もっとも、土の中なので見るわけにはいきませんが。

あ、あと、バジルが仲間入りしました。
いただいてすぐに植え付けする時間がなかったので、この週末に大き目の鉢に植え付けました。ということで、ポッドの状態で数日過ごしていたせいか、やや瀕死の感じです。
たぶん復活すると思いますが。
これでベランダ菜園は6種になりました。立派なものですね~

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午著;文春文庫
葉桜の季節に君を想うということ

5月22日読了。

「え~、そういうこと~!」と思わず口に出してしまいました。電車の中であったにもかかわらず。
これはもう、完全にだまされました。
気持ちいいくらいです。すごいね。それにしても思い込みってのは恐ろしい。
「あれ、でもあのシーンは、、、」と疑問に思うところもありますが、そこはご丁寧に最後に補遺が記されていて、「何か文句あるか!」という著者の思いがこもっています。それを読むと、確かにさもありなん、無矛盾です。。。

この本は、単行本で出た当時、何せ書名がステキだし、このミス1位にもなってなかなか話題になったので、実は一度図書館で手にとってみたものでした。
でも最初の1行から数ページ読んで、「あぁ、要はクールでワイルドでチョイ悪のハードボイルド男が、自分の肉体と頭脳を駆使して事件も解決するし女にもモテるし、、、っていう典型的ハードボイルド話かね」と思い込んで、結局読まなかった経緯があります。

それが今回文庫化されたし、相変わらず書名は魅力的だし、文庫版は表紙の装丁も美しいし、、、ということで今度こそ読んでみた次第です。
そして冒頭の感想でした。脱帽です。

話の内容は、言えません。万が一ネタばれするようなことを書いちゃったら申し訳なさすぎるし。
ともかく、最初の1行から数ページ読んで、げんなりするかもしれませんが、そこは少し我慢して、読み進めてください。
たぶんみんなだまされます。だまされなかった人がいたら教えてください。尊敬です。

しかしTVや映画なんかより、本ってすばらしいなと思います。
読むという行為は、活字をもとに自分の脳の中にイメージを構築する作業なのだなと実感しました。そして、ものの見事に作者の思いのままにそれを操作されてしまっているのですから!

水滸伝 8 青龍の章

水滸伝 8 青龍の章 北方謙三著;集英社文庫
水滸伝 8 (8)

5月20日読了。

いやいや、またまた、最高です!毎月のコトながら。
熱くて、カッコイイ!
毎回、水滸伝を読み終わると、少し頭がぼんやりしてしまうくらいです。

この8巻は、途中3分の2くらいまでは、重苦しい展開です。
祝家荘戦ですが、梁山泊側はじりじりしながら、事態を打開できず、どんどん追い詰められていきます。
今度ばかりはどうなるんだ、逆転の目はあるのか~とドキドキしていると、終盤、細い細い勝機を掴んで、そこからはもう怒涛の展開です。

この祝家荘戦から新しく加わった男たちも、胸のすく活躍を見せますが、本当のポイントは李逵だったなと僕は思いました。今回の戦では、ひとり重要人物を倒しただけなんですけどね。彼の斧がなければまた戦の展開は変わっていただろう。

今回も新たに加わった者もいれば、死んでいく者もいます。
新たに加わる者たちの、過去を振り切って今を生きようと決意するところもカッコイイし、死にゆく者たちの死に様も、必ずしも雄雄しいものばかりではないけど、信念のもと死んでいく姿は美しい。

・・・次巻に向けて、僕がもっとも死んでほしくないと思っている登場人物が、死地に向かって行ったような、、、とても次巻が気になります。
また1ヶ月。。。待つか~


オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎著;新潮文庫
オーデュボンの祈り

5月19日読了。

面白いですね。本当におもしろい。
すごく寓話的で、現実世界とずれているんだけど、妙にリアリティがあって。。。最後に、色んな出来事の意味がつながって、あぁこういうことだったんだぁというミステリ仕立てもよいです。

この人の作品は3冊めだけど、どの作品も、すごく暖かい感情が流れて心地よい空気だと思うと、次の場面では一転、背筋がぞぞっとするほど残酷だったり冷血な人間が出てきて、ものすごく不快になったりします。
この残酷で冷血なほうも、とてもリアリティがあるだけに、心底不快になったり怖かったりします。
その分、暖かいほうの場面が本当に心地よくてほっとします。
そういうところは、あまり他の作家さんの作品にはない味わいかなと思いました。

でもさすがに。。。この作品では僕は城山が本気で嫌で不快で、コイツが登場する意味はあるのか??と思ったりしていました。

あとは、本の題名の付けかたが本当に上手い。秀逸ですね。
読む前には何だろう?と思わせて、読んで、なるほどと思います。
この作品も、タイトルの中の「祈り」という言葉が、読後感の中でぐっと胸に染みてきます。

菜園(5/12) 仲間入り

5月12日。
我が家のベランダ菜園に、新しい仲間が入りました。
今回植えつけたのは、以下の3種です。

○ナス(千両二号)   2株
○ミニトマト(ピコ)  2株
○キュウリ(夏すずみ) 2株

070512菜園

既にあるリーフレタスとベビーキャロットとあわせてプランター5つ。
狭いベランダは上の写真のようになっています。

またまた気が早いけど・・・収穫が楽しみです!

ところでリーフレタスは、やはり間引きが甘かったようで、今や大変密集してわさわさと茂っていて大変です。
このままだと風通しも悪く、ひょろりとしたレタスになってしまうので、ほとんど毎日収穫して、少しでも株を減らそうとしているのですが。。。追いつかないくらいです。
発芽率が悪いって書いていたのに~。
なかなか難しいものです。

こうしてベランダにプランターが増えてくると、布団を干すのに邪魔だとか妻に言われますが。。。
是が非でも立派な実を収穫しなければ!

眉山

眉山 さだまさし著;幻冬舎文庫
眉山

5月12日読了。

実は、さだまさしが好きである。
「好き」というより、結構コアなファンです。
特に中学生~高校生の頃は、さだまさしの歌の世界にどっぷりはまり込んでいました。当時までの歌はほとんど歌詞を見なくても歌えるし、コンサートも行っていたし、ファンクラブにも入っていた。。。どんな中高生だ。
その後、大学生になって、貧乏なひとり暮らしになったこともあり、また、さだまさしの歌から輝きが失われたと思ったりした時期でもあったため、少し距離を置いていたのですが、30代になって、改めて「やっぱりさだまさしの歌は良い」と思っている今日この頃です。

なぜこんなぶっちゃけを書いているかというと。

この「眉山」という本、映画にもなり、宣伝が盛んであり、主演も松嶋菜々子ということで、原作もひょっとしてすごく良い本かもと期待して読みました。
で、随所に「さだまさしらしさ」は滲み出ていました。
さだまさしの歌の大きなモチーフになっている、親子・家族の情愛や、人間愛のようなものを感じさせる中身です。
ところどころ、ほろっとさせられます。

ということで、僕としては「さだまさし」らしい小説というだけで、もう読んで良かった!ということになるのです。

ただし、「さだまさしが書いた」という色眼鏡を外して見ると、小説のできとしては、そんなに上等ではないと思いました。話のリアリティがあまりないし、登場人物の感情の動きも自然じゃないように思うし、、、

ということで、さだまさしの歌の世界が好きな人には、ぜひ勧めたいが、そうでもない人には、、、どうかなぁ。

映画は。レンタルに出たら見ようかなと思います。

ブラフマンの埋葬

ブラフマンの埋葬 小川洋子著;講談社文庫
ブラフマンの埋葬

5月11日読了。

う~ん。
ブラフマンは何の生物なんだろう。。。
かわうそかなぁ。
という何とも言えない読後感想は持ちましたが。

残念ながら今ひとつ、琴線に触れる本ではなかったです。僕的には。
確かに静謐な文章で、読んでて心が静かになるような感じではあるんだけど、、、それ以上に響いてはこなかったです。

小川洋子さんの「博士の愛した数式」は、ものすごく好きだったんですけどね。

というわけで、僕にはフィットしなかったけど、それでもやはり、文章は心地良いし、表紙の装丁は素晴らしいし、静かに心穏やかに読書をしたい気分のときにはぴったりかもしれないです。

深追い

深追い 横山秀夫著;新潮文庫
深追い

5月4日読了。

横山秀夫の文庫最新刊です。
得意の、警察勤務だけど刑事じゃない人たち(どちらかというと地味な役回りをこなしている人たち)が主役で、それなりの緊迫感を持って出来事が展開し、ドキドキさせながら最後は人情的あるいは哀切な感じの結果に収束するというパターン。

得意分野だからもちろん読ませますけど、ちょっと横山秀夫のこの種の短編には飽きてきたかな~という感じはあります。
個人的には、そろそろバリバリの強行班刑事が主人公の短編集が読みたいかな。「第三の時効」みたいな。(もうハードカバーで出ているのかしら)

あと、やっぱり警察には正義の味方でいてほしいので、例えばこの本の中だと「仕返し」という編のように性根が悪い警察が出てくるのは、いい気分がしないですね。
この本のなかでは、最後の短編の「人ごと」が僕としては一番よかった。心が温かくなるような印象です。

ということで、僕としては横山秀夫の中では、とりたてて好きと言うような作品集ではなかったですけど、やはり短編の上手な人なので、分量に対する中身の濃さというか、面白さは否定しません。
プロフィール

keiboor

Author:keiboor
茨城県つくば市在住の35歳・男
妻と5歳の娘、0歳の息子との4人暮らし
職業;エンジニア

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